締結するか否かを判断するためには,フラ ンチャイザーが作成・提示する当該売上予測が,客観的に見て合理性を 有するものである必要がある。
もっとも,売上予測の手法については,科学的な手法が確立されてい るわけではないから,その手法にフランチャイザーの主観的判断が伴う ことは避けられない。
また,売上予測は,フランチャイザーに蓄積され た経験やノウハウに依る部分が大きいことからすれば,第一次的にはフ ランチャイザーの裁量を尊重する必要性も否定できない。
以上の検討を踏まえれば,フランチャイザーが作成・提示した売上予 測は,売上予測の手法それ自体が虚偽ないし人為的操作が加わった不合 理なものであったり,売上予測の手法それ自体は合理的であったとして も,売上予測の前提とされた情報が虚偽ないし著しく不合理であるとい える場合に,客観的に見て合理性を有する情報ではないと判断されるべ きである。
(イ) 売上予測の手法 上記(1)オで認定のとおり,X方式は,被告が出店する全ての店舗で用 いられる日販予測システムであるところ,仮に,X方式が合理的な売上 予測を立てられないシステムであったとすれば,前提事実2(1)で認定の とおり,被告が,平成14年7月の時点で6000店を超える店舗を有 し,平成16年に年間で約300店を出店するといった積極的な経営を 維持することは困難であったと考えられる。
また,上記(1)キ(カ)で認定のとおり,被告は,X方式が客観的データ に基づき売上予測を機械的に算出するシステムであることを考慮して, X方式での売上予測に加え,被告担当者が確認・裏付調査を行った上で 適宜,売上予測の修正を行うといった手法を採用しているところ,これ により,客観的なデータでは表現できない感覚的な事情や具体的な状況 を踏まえた,柔軟な売上予測が可能になるものと評価すべきである。
さらに上記(1)ケで認, 定のとおり,被告は本件店舗の出店に当たって 多額の支出をしており,本件店舗の売上予測が達成できなかった場合に は損害を被る可能性があることからすれば,被告が,あえて本件店舗に 限って,X方式に虚偽ないし人為的操作を加えることは想定しがたい。
以上の事情を総合考慮すれば,X方式で算出された売上予測を前提に, 被告担当者の確認・裏付調査により適宜修正を行うという手法それ自体 は,合理的な手法であると認められる。
(ウ) 売上予測の前提とされた情報 旧店舗の売上実績 本件店舗の売上予測において,X方式に入力された情報は上記(1)カ で認定のとおりであるところ,既存店舗の平均客数が0人と入力され ていることからすれば,被告は,旧店舗から引き継がれた顧客がいな いものとして,売上予測を行ったものと認められる。
損害賠償請求権
被告は,A元市長のした支出負担行為(本件協定の締結)についての監査請求期間は当該行為がされた平成6年5月10日から起算されると主張している。
しかし,職員の違法な財務会計行為によって地方公共団体が被った損害の補てんを求める監査請求期間は,地方公共団体の当該職員に対する実体法上の請求権が発生し,これを行使することができることになった日を基準として起算すべきである(平成9年最判)。
同最判の事案は,地方公共団体の首長個人に対する損害賠償請求権の行使を怠る事実に関する事案であるが,当該損害賠償請求権はいまだ発生していないという事実にかんがみ,監査請求の対象となるべき右損害賠償請求権の行使を怠る事実も存在しないと判示した。
損害賠償請求権は発生しているが怠る事実は存在しないという事案とは異なり,損害賠償請求権そのものが発生していない場合には,怠る事実の相手方に対するものであろうと,当該職員に対するものであろうと,これを地方公共団体が行使することも,また住民が代位行使することも不可能である。
平成9年最判は,損害賠償請求権の行使を求める監査請求の申立期間は,当該請求権が成立したときから起算されるという当然の法理を確認したものであって,この法理は怠る事実に固有のものではない。
したがって,地方自治法242条2項にいう「当該行為のあった日」とは,当該行為によって直ちに損害が発生するという関係が存在しない場合は,損害の発生時点をいうと解すべきである。
本件では平成17年1月14日に市収入役が合計9億円を本件各金融機関に支払ったことによって損害が具体的に発生したのであるから,A元市長のした支出負担行為(本件協定の締結)を理由として損害の補てんを求める本件監査請求の起算点は上記日時であり,本件監査請求はそれから1年内にされているから適法である。
被告は,平成9年最判の射程範囲は極めて限定的であると主張するようであるが,地方自治法242条2項と同様に,「不法行為のとき」を起算点とする除斥期間の規定(民法724条後段)について,近年の最高裁判決が伝統的な下級審判決や通説に反して損害発生時説を採用するに至っていることは,本件においてもしんしゃくされるべきである。
被告がいう法的安定性という概念は,権利主張の客観的可能性の要件を前提として初めて許容されるものである。
監査請求期間や除斥期間の起算点に関する最高裁判決が損害発生説を採用したことは,権利主張の客観的可能性を重視すべきであるとしたものである。
被告が主張するように,旧法242条の2第1項4号には,「当該行為若しくは怠る事実の相手方に対する法律関係不存在確認の請求」という訴訟類型を認める規定があった。しかし,同条同項の柱書には,1号請求(当該行為の差止請求)の要件について,「当該行為により普通地方公共団体に回復の困難な損害を生ずるおそれがある場合に限る」という厳格な制限が規定されていた(この制限は改正法によって除去された)。
本件に即していえば,川崎市が損失補償契約の履行を迫られる現実的危険性が発生していなければ,市に「損害が生ずるおそれ」そのものが否定され,1号請求は認められないこととなる。
そして,4号後段の法律関係不存在確認請求によれば,損害発生の蓋然性や回復困難性の有無にかかわらず,同じ目的を達することができるというのであれば,1号請求に特別の要件を設定した趣旨は没却されることになる。
したがって,旧法上の法律関係不存在確認請求は1号請求を適法ならしめる程度の要件が存在した場合に初めて,確認の利益ないし争訟の成熟性等の訴訟要件の具備が認められると解釈されるべきである。
そうすると,本件においては,住民としては旧法上の法律関係不存在確認請求をすることができたことを理由にして,本件協定締結の日を起算点として監査請求期間を考えるべきであるなどとはいえない。
すなわち,被告 は,本件店舗が,旧店舗とは無関係に,現在置かれている状況の中で どれだけの売り上げを出せるかという観点から予測を行ったのである から,旧店舗の売上実績がX方式に入力されていなかったとしても, 直ちに売上予測が不合理であるとはいえない。
もっとも,旧店舗と本件店舗の距離は直線距離にして約30メート ルしか離れていなかったことからすれば,旧店舗の売り上げは,本件 店舗の売上予測に当たって重要な考慮要素の一つであると考えられる ところ,上記(1)キ(ア)で認定のとおり,被告担当者は,本件店舗は旧 店舗では取り込めなかった国道○○線の歩行客を期待できる上,本件 店舗のメイン客層としては国道○○線の歩行客を想定しており,Y五 橋店の影響は旧店舗ほどには大きくないと考えていたのであって,本 件全証拠によっても,このような考え方が不合理であったとは断定で きない。
そうであれば,Y五橋店が開店した影響により,旧店舗の売 り上げが下がっていたとしても,被告が,上記のような考え方を前提 にして,本件店舗の売り上げは旧店舗よりも改善すると判断したこと が,不合理であるとまではいえない。
本部の営業力の差異,競合店の状況等 上記(1)キ(エ)で認定のとおり,本件各競合店の日販を予測するに際 して,本部の営業力の差異に応じた調整を図るためにチェーン係数を 乗じているところ,本件ではS仙台五橋2丁目店の調査日販にチェー ン係数1.1を乗じている。
そして,本部の営業力によって売り上げ に差異が生じることは,一般的経験則として十分に是認しうることか らすれば,上記のような調整を行うことは合理的であるといえる。
また,上記(1)カ,(1)キ(ア),(1)キ(エ)で認定のとおり,被告は, 本件店舗の売上予測に当たって,競合店の立地状況,オペレーション, 駐車場の有無及び予想日販等を調査しているところ,本件記録を精査 しても,各調査方法や内容が不合理であることを示す証拠はない。
Y五橋店の影響 上記(1)キ(ア)及び(1)キ(エ)で認定のとおり,本件店舗の売上予 測に際して,後背商圏での通常の買い物はY五橋店でなされているこ とが前提にされていることからすれば,Y五橋店の影響が全く無視さ れているとはいえない。
そして,被告が,Y五橋店の影響を考慮した としてもなお本件店舗の売り上げが改善されると判断したことが,不 合理であるとはいえないことについては,上記で説示したとおりで ある。
なお,被告担当者の所感では,Y五橋店が競合店の中で7番目に記 載されているが,上記所感において競合店の記載順序がどのような意 味を持つのかは本件記録から明らかではないから,Y五橋店の記載順 序が7番目であるからY五橋店の影響が軽視されていたという原告の 主張には理由がない。
借金返済や債務整理でお困りなら
ひとつの失敗で借金がとんでもなく膨らんでしまった方、結構世の中におおいですよね。
真面目にコツコツ返しているけれど、日本はなかなか失敗者に対して冷たいので、一発逆転なんてことが難しいのが現状です。
そんなときには、自己破産や個人再生など、法的な手段に頼るのも一つの手。
人生のリスタートがスムーズに切れますよ。
借金返済、債務整理をしたい人の強い味方「借金返済・債務整理ドットコム」。相談無料の法律家たちの情報が満載です。
過払い金の返還を請求するなら
グレーゾーン金利をずっーと払い続けてきた方必見。
「過払い金ドットコム」は過払い金を取り戻すための強い味方の法律家の検索サイト
あなたの払い過ぎたお金を合法的に取り戻します。
過払い金って何?なんて方も、解説がサイトにあるので、それをチェックして勉強してみて下さいね。ちょっと勉強するだけで数十万円から数百万円返ってくることも★
過払い金を取り戻すなら「過払い金ドットコム」
あなたを救ってくれる法律家情報が満載です。
特定調停とは
フランチャイジ
契約
締結